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見積もり一活サイトは失敗する!?ユーザーが情報迷子に陥ってしまう3ツの「ずれ」
web検索でユーザーが情報迷子に陥ってしまう原因とそこに見え隠れする見積もり一括サイトの闇を考察してみました。
以前よりは、検索結果に対してユーザーの『本質」が反映されるようになってはいます。
しかし、もう少しだけでもリスティング広告審査基準を、厳格にするべきではないかと実感しています。
膨大なWEB情報量
インターネットがこれほど普及していて、小さな子供まで一人一台スマートフォンを所有している時代です。
何か分からないことがあればその場ですぐに「ググる」という癖?
癖というより、今の若い世代の方は「条件反射的」にすぐにスマートフォンを取り出して、数秒で検索を始めて、数秒で答えを出しますよね。その早さには実に驚かされます。
「解らないことは、本屋で参考書を探す」という僕らの時代とは、勉強の方法も変わってきているんでしょうね。
会社のデスクで使用しているパソコンなら、ほとんど電源が入った状態ということもありますが、自宅のパソコンで何かの情報を調べたいと思った時は、まず電源を入れる作業から始めなければならないので、「知りたい」という「欲求」にタイムラグが生じてしまいます。
これほどスマートフォンでのWEB利用率が増えている理由がよくわかります。
しかし、そうした中で思うことが「WEB」という膨大な情報量の中で「情報迷子」になることはないのかなと思うんですね。
情報迷子
この場合の「情報迷子」とは、「やみくもに膨大な情報の中に埋もれてしまう」という意味ではなく、検索順位の上位に用意されている「誘導」にそのまま乗かってしまい「本質」から外れてしまい、情報迷子になってしまうという意味です。
ユーザー欲求の「本質」
ユーザーが、何かの「不満」「不便」「欲求」を解消しようと「検索」するとき、ユーザーが検索して知りたいことの「本質」は、「身近な専門のプロを探したい」のではないかと思うんです。
なのにそれらは、上位には出てこない現実がそこには在ります。
その一例を挙げると「外壁塗装工事」
「そろそろ家の塗り替えを考えなくては」と思った時に、Googleで検索しますよね。キーワードは、例えば「世田谷区 + 外壁塗装 + 業者」とか。
そうすると、上位に表示されている検索結果は、「一括見積もりサイト」「比較サイト」です。これらの会社はWEBの制作会社だったり、WEB運営会社です。
そこには「ずれ」が生じてしまいます。
そこで生じる3つの「ずれ」
1つ目のずれ「思い込み」
「Google、yahooの上位に表示されている業者なら安心できる」という「思い込み」からくる「ずれ」です。
おそらくその思い込みは、テレビの影響が大きいのではないでしょうか?
「テレビで紹介されたから安心できる」「テレビで言っていたから大丈夫」「テレビでコマーシャルをやっているから信頼できる」と。
はたして、テレビはそれほどの信頼に値する価値の情報を、100%日本国民に提供しているのでしょうか? 僕にとって、その答えは「NO」です。
なぜなら、朝、昼に多い情報番組は、「恐怖」を植えつける構成が中心となっていますよね。恐怖が一番多数の人間を洗脳しやすいんですよね。
防衛本能が働くから、知らず知らずの内に恐怖を伴う情報は潜在意識へとインプットされてしまいます。それだけ「印象」として残せるんです。
収益をあげるために、民放各局はその争いを毎日繰り返しています。
そして、悲惨な子供の事件を繰り返し、繰り返し、何度何度も一日のうちに放映しています。その対象の子供の年齢が、大衆にもっともかわいいとされる3歳から5,6歳であればあるほど繰り返し放送されています。
ぼくは、これが嫌いでテレビを観るのを辞めました。
そして、ネタがなくなると「動物園」「水族館」情報。「らくだの赤ちゃんが誕生しましたー」とかね。
権威あるコメンテーターは、大衆の代表であるかの如くコメントしています。
彼らの多くは、芸能プロダクションに所属していることはご存知でしょうか?
話す内容は、あらかじめ決められているようです。つまり、「大衆の代表であるかの如く話しているその内容は、別の誰かが書いた台本通り」ということなんです。
つまり、メディアは我々を情報操作しようとしているということです。
これまでの暮らしの中では、テレビ、新聞、ラジオが情報源の中心となっていました。しかしその情報源の中心はWEBへと移行しています。
その「思い込み」は、ユーザーが「欲求」を解消したいと考えた時に検索して、そこに表示された検索結果の上位表示に対する「思い込み」
「上位表示されているから大丈夫」「上に出ているから信頼できる」「Google,yahooで上に広告を出しているんだから大丈夫」という、
メディアがユーザーの潜在意識にすり込んだ価値観ともいうべき「思い込み」からの「ずれ」が生じている気がします。
2つ目のずれ「本質」
ユーザーが「本質」で求めている「身近な専門業者」からは「ずれ」が生じます。
そこで「ずれ」に気が付けば良いのですが、ページを開くとそこには「WEBマーケティングのプロの技」がいたるところに織り込まれています。
それは、問い合わせフォームへと導くための「導線」と呼ばれるものだったり、ユーザー層に適応させた「フォント」「色」までもが計算されているプロの仕事で構成されたサイトなんですね。
目を見張るような美しいサイトもあったりします。
そして、ユーザーはその導線に乗っかってしまい、無料の申し込みフォームへ登録してしまいます。
ユーザーが検索している「本質」は「WEBマーケティングのプロの技」を求めているわけではない。それなのに「そこに魅力を感じてしまった」という「ずれ」です。
魅力を感じてしまって、「ここなら欲求が解消されるのでは?」と認識してしまい、無料申し込みフォームへ登録してしまうという結果になります。
全部が全部そうであるとはいえませんが、一度でも何かしらの見積もり一括サイトを利用した事がある方は、その劣悪な内容を理解していると思うので、ここで僕が言う「本質からずれている行動である」という意味を深く理解していただけると思います。
3つめのずれ「業者違い」
そして、最後の「ずれ」は、ユーザーの自宅へ見積もりにやってくる「塗装工事業者」は、「ユーザーが求めている業者とは違う」という「ずれ」です。
これは、見積もり一括サイトが収益化する仕組みを知れば、カンタンに理解できます。
説明すると、見積もり一括サイトはユーザーからの見積もり依頼を1件でも多く集まることに必死になっています。
その理由は、1件のユーザーからの個人情報がWEB会社の収益となっているからです。その1件の個人情報は、10人の塗装工事業者へ個人情報が15.000円から30.000円で売られていきます。
30.000円だと単純に計算して30万円の収益。そして、一人の塗装工事業者が塗装工事を受注すると、その受注金額からマージンとして20%~を搾取します。
仮に100万円で受注した場合、20万円です。塗装工事業者へ売った個人情報の30万円とあわせるとユーザーからの見積もり依頼1件が、50万円の収益となります。
しかし、そこには紛れもなく劣悪な状況が発生します。塗装工事業者は、高額な紹介料を払うので、必死になって見積もり日程を約束する為に連絡し続けます。
ほとんど日中は連絡がとれない場合が多いので、朝に昼に夜に電話をかけ続けます。そうしてようやく連絡が取れたとしても、そこには10社という強烈な相見積もりの現実がまっています。
ここで、考えるべきはこの個人情報を買った塗装工事業者は、見積もり約束のアポイントをとるまでに結構な労力を消費しています。それでアポイントをとってもそこからの契約率は1/10。
全く収益になっていないということです。収益にならなければ、出来うるなかで収益を出すしかないとなってしまいます。
ユーザーからすれば、朝から夜まで次から次へと塗装工事業者からの電話が鳴り続けます。そして見積もりにやってきた塗装工事業者は、とても疲弊したりします。
この中の塗装工事業者へ工事を依頼したとしても、見積もり一括サイトの傘下で仕事をしている業者のおかれている状況は楽ではないでしょう。
ユーザーの仕事の中で「本来やりたくない仕事をやらざるおえない」ということにもなりかねません。
ユーザーの「本質」は、そんな塗装工事業者を求める為に、検索していたのではないでしょう。
それは、「ユーザーが求めていた塗装工事業者からはかけ離れている」という「ずれ」です。
まとめ
見積もり一活サイトの闇が原因!?ユーザーが情報迷子になってしまう3つの「ずれ」というテーマでお話させていただきました。
今回は、外壁塗装工事の見積もり一活サイトを一例としてお話しさせて頂きましたが、「引越し」「水漏れ」「美容院」「車検」など他の業種でも、検索の「本質」から外れてしまう「ずれ」が生じることが多いのではないかと思っています。未来では、「AIが人の潜在意識を解読して検索結果を表示する」なんてことになるかもしれませんね。
GOOGLEでも検索のアップデートで、コンテンツ重視の検索結果になってきてはいます。しかし、これから先の時代は「こと」が求められる時代へと変わるような気がします。
そして、マーケットの世界でも、「個」であり、「個」の持つ「技」「技術」「能力」が求められる機会が増えてくると確信しています。
働き方改革が求められ始めた今、WEBの検索結果で「個」の持つ「技」「技術」「能力」がもっと分かりやすくなってほしいと思いませんか?
「豊か」になる近道がそこにあるような気がしています。